さんご草観光案内所兼売店では、開店と同時に、1枚のCDを終日流します。芹洋子さんの全曲集です。
その中の1曲に「サンゴ草咲く日に」があります。この曲は、サンゴ草のテーマソングと言っていいものです。
駐車場の一角に小さな歌碑があります。平成15(2003)年の第40回さんご草祭りで建立・除幕したものです。作詞、作曲、歌手そして私自身にも、それぞれの謂われがありますので、それをお話します。
まず、作詞の木下龍太郎さんです。「鳥取砂丘」や「釧路湿原」といった、最近の大ヒット曲を手がけた当代売れっ子の作詞家です。演歌のイメージが強いのですが、「わすれな草をあなたに」のような日本の叙情歌の名曲を生んでいます。
制作の一端を、直筆のお手紙から引用させていただきます。
『・・・・主人公はA.・R様とおっしゃる兵庫県川西市在住の方です。昭和59年9月に、札幌駅発9:30分特急オホーツク三号で網走へ伺い、市内に一泊したとのこと。「卯原内観光協会の説明によりますと」と本にありますので貴協会をたずねたのでしょうか。・・・・』ちょっとだけ、制作秘話が垣間見えます。
作曲の小川寛興(ひろおき)さんは、NHKの『おはなはん』の音楽を担当したことで知られており、「さよならはダンスの後に」とか「月光仮面」など昭和40年代に活躍しました。
芹洋子さん。「四季の歌」や「坊がつる賛歌」「愛の国から幸福へ」などのヒット曲で知られる国民的歌手です。
私の父松下稔は、卯原内観光協会4代目会長でありました。「サンゴ草咲く日に」を耳にするや、まさに卯原内を舞台にした自分たちのための曲と思い込み、カセットテープにエンドレスでダビングして、お祭り会場で流していました。しかし、なんとしてもシングルカットが欲しいと念願し、長男の章一(当時ポリドールレコード勤務)を通じてキングレコードに働きかけ、カセットテープ制作にこぎつけました。平成9年8月、故人となる3年前のことでした。以来、さんご草祭り会場ソングとして曲は流れ、また、販売も可能となりました。
平成14年8月16日、東京のキングレコード所属・芹洋子事務所・伊東佳男プロデューサーから、突然電話がかかってきました。。「サンゴ草咲く日に」をもう一度世に問いたい。最新の芹洋子全曲集CDに入りました、云々。40回目のさんご草祭りに何か記念の形を残したい、と考えていた私は、父稔の3回忌の直前に突如持ち上がったこの話に運命的な何かを感じました。
そうしたもろもろの経過を経て、歌碑の制作、除幕式の挙行、芹さん自身による歌唱コンサートと相成った次第でございます。
今日の定点画像をご覧下さい。